ある日家に帰ると息子の両足に赤い発疹が出ていることに気づきました。数日前から微熱も続いていたこともあり、小児科にて受診したところ「川崎病かもしれない」と言われました。初めて聞く川崎病という病名。川崎病とは何か?なぜうちの息子が入院することになってしまったのか?得体の知れない病気に不安を持つママやパパの助けになればと思い、経験談を語ります。
川崎病とは?
そもそも「川崎病(かわさきびょう)」とはどのような病気なのでしょうか?
僕は1980年代の川崎市の生まれです。当時は京浜工業地帯から発生したスモッグによる環境問題、それに伴う川崎喘息などの公害が騒がれていましたので、川崎病の名前を聞いた時は、川崎公害に影響する病気かと思いました。
しかし、川崎病と川崎市はなんの関連性もなく、川崎富作先生という方が1967年に発表された病気であるために「川崎病」という名前がついています。主な説明はWikipediaをご参照ください。
川崎病(かわさきびょう、英: Kawasaki disease, KD)は、主に乳幼児がかかる全身の血管炎症候群のこと。主として中型の血管が全身で炎症を起こすことで、発熱、発疹、冠動脈病変など様々な症状を惹き起こす。小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群(英: MucoCutaneous Lymph-node Syndrome, MCLS)とも言われるが、世界的に「川崎病 (KD)」と呼ばれるのが一般的である。
このように、川崎病は血管が炎症を起こすことで発熱し、最悪の場合は心臓疾患に陥る恐い病気です。「川崎病」とGoogle検索してもらえれば、病状や対策など出てきますが、根本的な原因が解明されていない病気であります。
なので、発生原因が不明らしいのですが、川崎病であるor川崎病の疑いがあると診断に至る6つの病状があります。まずはお子さんにこの6つの病状が現れているか確認してください。
特徴である6つの病状
川崎病は主に6つの症状のうち、いくつ症状が該当するかによって川崎病の疑いがあるか診断されます。

【川崎病と疑われる6つの症状】
①熱が5日以上続いている
②両方の白目の充血
③唇や舌がイチゴのように赤くなる
④首のリンパ節が腫れる
⑤手や足に発疹が出る
⑥手足が赤く腫れる
僕の息子の場合、「発熱5日間」「手足の発疹」が該当しており、6つのうち2つだったのですが、その時診療にかかった小児科医は川崎病の疑いアリと診断し、大病院への紹介状を書いてくれました。
川崎病の説明を先生から聞いた後、即行スマホで「川崎病」を検索しました。そうすると、「6つの病状のうち4つ該当したら川崎病」「5つ以上または冠動脈瘤がみられたら川崎病」という情報が多く、「うちの息子は2つなのになぁ」と疑念を持ちました。
しかし、疑いを持ちながらもお医者様の診療を信じるしかありませんし、子どもに万が一のことがあってはなりませんので、翌朝(日曜でした)すぐに救急外来にて受診することとなりました。
川崎病は即入院
紹介状先は聖マリアンナ医科大学病院でしたので、あざみ野駅からバスも出ていて、近場に大きな病院があって良かったと素直に思いました。
日曜日なので、救急外来の窓口にて受付を済ませ、診療してもらったところ、6つの症状のうち「リンパの腫れ」が追加され、該当症状が3つに。川崎病の可能性が高いという診断を受けたのですが、お医者様から次に言われた言葉が衝撃でした。
「入院になります。」
そうなんです。小児科で川崎病疑いと診断された以上、大病院で診察を受けても同じ診断を受けるのは当然なのです。そして、川崎病となれば入院が必要なこともネット情報にはたくさん出ていました。しかし、その場で入院を判断しなければならないなんて、想像もしていなかったので、大いに戸惑いました・・・。
病院側としては小児科の入院施設の部屋、ベッドを確保するかしないか判断しなければならないため、即時判断を求めてくるんですね。
運営上当然だとは思いますが、逆の立場だと即断し辛いわけです。僕も妻も仕事してますので、平日休めるのかどうかもわかりません。「ちょっと時間もらえないものでしょうか?」と尋ねましたが、答えはNO。
「ええっ!?この場で入院決めなきゃいけないの!?」
これが僕の率直な意見でした。
戸惑いながらも、入院以外の選択肢がないことは分かっています。
「わかりました。入院手続きをお願いします。」と伝えたところ、「個室か4人部屋、どちらにしますか?」とお医者様の返し。個室と相部屋は大きく違う点があります。
個室 → 常に付き添えるが、付き添いは1名に限られる。そして、四六時中付き添いが必要。
相部屋→ 面会時間が13:00~20:00に限定される。四六時中の付き添いはできない。
即答で「ずっと付き添いができる個室」を選択し、手配してもらいました。あれよあれよという間に入院部屋となる個室に案内され、入院に必要なものが書かれた紙が渡され、着替えや必需品の準備をすることとなりました。
入院後について
入院3日後に起きたこと
一年後、またしても川崎病の診断を受ける
とにかく1週間は入院生活
基本的には柵のついたベッドの中での生活。
腕に繋がれた点滴管から逃れられず、
外に出たいと言い泣く日々。
20時を過ぎれば帰っていくママとパパ。
齢3歳にして、この仕打ち。神様は残酷だと恨みました。
一刻も早く我が子を家に連れて帰りたいと心底思いました。
1日、1日と指を数えるように暮らし、気を紛らわせる日々が続きますが、僕の息子同様に川崎病の診断を受けて入院される子どもさんが病室に入ってきます。
なかには生後半年くらいではないかという赤ちゃんまでもが同じ病室になり、他のママとパパの気持ちも痛いほど分かります。
入院生活は辛いですが、ここで川崎病と診断されたことで、将来発生し得る心筋梗塞のリスクを回避できると思えば、少し気持ちも前向きになります。川崎病の判明が遅れることで冠動脈瘤ができてしまうと、小学生以降に運動制限がついてしまうこともあるようです。
「息子よ、共に頑張ろう」
毎日熱を測りながら、熱が下がっていくかどうかで川崎病の治療経過を確認します。また、血液検査で炎症の数値を見て最終的に退院可能かを診断されます。
白血球数、CRP定量の数値が高い状態から、正常値に戻ったことで僕の子どもは退院可能と言われました。ガンマグロブリン投与の効果ありということらしいです。
たかが1週間の入院生活。しかし、最愛の子どもと離れて暮らす1週間は地獄のようでした。
退院後は投薬と定期検診
退院後は川崎病が完治したわけではありませんので、血液が固まることで作られてしまう冠動脈瘤を防ぐため、血液が固まらないようにする薬、「アスピリン」を毎日飲みます。これが水に溶けない薬なので、子どもは嫌がります。
そして、アスピリンの効果として血液を凝固させないような作用が働くため、日常生活で出血を伴うような怪我をしないように厳重注意されます。
転んで擦り傷でも作ってしまったら、出血が止まらないとのこと。。。
また、生ワクチンと呼ばれるような予防接種も禁止されます。
結核、麻しん(はしか)、風しん、おたふくかぜ、水痘(みずぼうそう)、黄熱病
などの予防接種は医師の許可がでるまで、摂取できませんのでご注意ください。
そして、感動脈瘤ができていないかを調べるために定期的に心電図検査を受けにいきます。僕たちの場合は3ヶ月に一度見てもらい、徐々に期間を伸ばしていき、最終的には1年おきに診断しましょうとなっていくようです。
幸い僕の息子は定期検診でも異常は無いと言われてますし、公園や保育園でも走り回っているので、後遺症は発生していないのだと信じています。
川崎病と診断された時、何を思うのか
長々と体験談を書いて参りましたが、一番お伝えしたいことはこれです。
「病気を悪化させないように、しっかりと向き合うこと」です。
僕の場合、ちょっとした熱と発疹から小児科受診し、急転直下で入院になってしまい大慌てしましたし、一年後にまた川崎病と診断されて入院したことから、大パニック状態に陥りました。
「良い大人なんだから落ち着けよ」と言われそうですが、最愛の息子が得体の知れない病気にかかって入院しなければならないなんて聞いた日には、落ち着いてなんかいられません!
ただし、親が慌てていては子ども安心できません。
僕の体験談が、同じように川崎病診断を受けたママやパパのお役に立てたなら、この上ない喜びです。